キャンパスライフ

HIJIYAMA UNIVERSITY PERSONS' GARDEN 対談インタビュー

対談:学生×顧問

広島文化のひとつ、上田宗箇流茶道に惹かれ入部

Fさん 言語文化学科の一年生のFです。

Yさん 私は平成六年から比治山で茶道部(*)を教えています。Fさんは去年のオープンキャンパスで大学に来て、その時に上田宗箇流に入ろうと思ったのよね。

Fさん 広島県にしかない武家茶道って聞いて興味を持ちました。もともと幼稚園のころから裏千家で茶道を習ってはいたのですけど、そういった地元にしかない文化を誰かが継いでいかなきゃいけないなと思って、上田宗箇流にしようと。今しかできないこと、かなって。

Yさん オープンキャンパスの時に体験したのですよね。上田宗箇流と裏千家は違いますからね。表千家、裏千家、武者小路千家があってそれは血縁関係で。上田宗箇は武将で、信長、秀吉の流れです。上田宗箇流は、男子は時代劇の武士のように両膝の外に拳を付いて挨拶をしたり、柄杓の扱いの際には弓を引く所作が入っていることもあります。女性はそれにならって、すがすがしく、さっぱりと、凛とした手前をするんですよ。

Fさん 広島だけでしているものではないと聞いたのですが...?

Yさん そうですね。広島が発祥ですが、東京や関西、ドイツやオーストラリアなど海外にも広がってます。武家茶道として今十六代です。上田宗箇は一番槍をとって、戦国時代を、戦国の乱世を生きた人です。明日は生きているかどうかわからない時に、出陣をするという覚悟を持って茶を飲みました。濃茶を、ひとつの茶碗で飲んで、心を一つにして出陣をしました。そういうことも若い方に理解していただきたいです。実際にやってみてどうでした?

Fさん 所作だけでなく、心持ちとか、日々の生活の考え方が一年間を通してちょっとずつ変わってきたと感じます。茶道を通して大切なことをすごく学んだなあって思います。

Fさん

Yさん

一年生ながら部長に抜擢。新入部員を牽引したい!

Yさん Fさんは一年生ながらも、部長に抜擢されましたね。

Fさん 立候補だったのですけど、自分から手を挙げるのも気が引けるので、前もって先輩方と相談したところ、それが妥当じゃないのかって言っていただいて。

Yさん 積極的な感じだったと、四年生の方はおっしゃっていますよ(笑)。

Fさん 恐縮です(笑)せっかく部活に入って学べることがあるならって思って申し出ました。先輩が準備してるなら私も準備しなきゃって。もともと吹奏楽をやっていて、先輩より先に早く動かないと怒られる環境でした。茶道部でも先輩が準備してるのに一年生の私が何もしないのはちょっと...とか。お道具の場所やいっぱいある名前も分かっていないといけません。先輩はいつまでもいらっしゃるわけじゃないから。それで、大学祭が終わったときにりの部長になりました。

Yさん 上田宗箇流は、新旧交代式を上田の宗家でやらせてもらえるんです。それが十二月にあるので、どの学校も大体大学祭終わりに交代をするんですよね。

Fさん 先輩方が活動中なので、部長として具体的なことはまだ全然できていません。来年一年生が入ってきて、ちょっとでも引っ張っていけるような力を、今はつけたいと思っています。お手前もそうだし、他の面でも。あと、いろいろイベントがあります。入学したら春の茶会があったり、公式には上田宗箇流の田植茶会というのを縮景園でやります。早乙女の姿になって、田植をするような。先日の初釜では県知事、市長がおいでくださる席にお手伝いに行きました。

Yさん そうでしたね。あとFさんは着付け部にも入っていますね。昔大学の授業で茶道があって、そのカリキュラムに組まれていたので、茶道部の部員にも可能な方は入っていただいています。茶の湯は自分できれいに着物を着れないと。そこからのスタートですし、身につくものも違いますしね。去年の大学祭は、一年生はみんな振袖を着せてもらいましたね。

Fさん そうでした。今日も撮影と聞いて着せてもらいました(笑)。

日本の文化を広められる国語の教員になりたい!

Yさん Fさんは、将来的になりたいものがありますか?

Fさん 中学校の国語の教員を目指しています。外国の方のほうが能についての文化を知っている、日本人なのに日本の文化を語れない、という姿をテレビで見ることがあります。日本人に生まれて、こんないいものがたくさんあるのに、知らないのはもったいないなと思います。着物を一人で着れるようになり、茶道もできるようになり、国語の先生になったらその背景にある文化も授業を通して伝えていきたいのです。

Yさん そのために何か気をつけてることはありますか?

Fさん なるべくきびきび動いたり。茶道のときは、手首の骨を出さないように注意しています。それに、普段から姿勢を意識してできるだけ猫背にならないようにとか...。

Yさん すべてに意味がありますからね。柄杓がなぜここに置いてあるかとか、全部に意味があって、それをまず自分で理解することが大切です。そして、自分を俯瞰できるように、気がいいようにまわるように、気を止めないように。柄杓を持ったときも、この手首などの骨が出ていれば気が止まってしまうので。日本古来の武道っていうのはね、気を止めないで、自分の手の延長である柄杓まで自分を持っていくというような、そういう精神を大切にしています。

Fさん それと、もてなしの心も大切ですよね!

Yさん そうです。何もないところからお客さまのために道具を出して取り揃えて、お湯を沸かしてお菓子を用意する、それが茶の湯の精神です。そしてまた元に、無に還る。無から有を生み、無に還る。陰陽五行といった中国の思想です。例えば、夜は月が陰なので、陽のときに物を考えないとポジティブには物事が考えられないです。全部意味があるんですよ。

Fさん 先生はよく、"夜に物を考えないように、夜に長いメールはしないように"っておっしゃいますよね。

Yさん そうです。今日のことは今日で終わるように、おいしいものを食べて。二十歳をすぎたらお酒を飲んで、飲んだら寝る!(笑)感受性も鋭くなりますので、利き酒とかできるようになりますよ、自然に。お抹茶も今日のお抹茶はどこの産地のお抹茶で、いつものはあそこの産地だけど味が違うねとか、わかるようになります。

Fさん 私も茶道をやっていて、四季を感じられるようになりました。今は何月だからこういうお花を、冬だからこういうお菓子を用意するとか、そういうのが感じられるようになってきました。全部自分で探すのですが、それはとても大切なことだと思います。

Yさん 私はあなたたちの持ってるいいものをできるだけ引き出してまとめる立場に徹しています。お菓子も和菓子屋さんに直接行って、選んでもらっています。お菓子一つ、お茶一服いただいても、自分がやったことがあるかないかでは全然違うんですよね。お菓子を買いに行って、持って帰って、お茶室に出てくるまでのプロセスですよね。料理も一緒。お母さんが買い物に行って、食材を切って。ボタンを押したら出てくるわけではないことがわかります。自分で考える力を学ぶのです。

Fさん そういうところも、楽しいなあって思います。普段生きて普通に過ごしてたら、あんまり身近に感じられない四季を五感で感じられるのも茶道の楽しいところです。生活が便利になって、最近、季節感ってほとんどないなと思うので...。

Yさん そうですね。そういう生きる基本を大人になる今身に付けていれば、これからの長い人生で、子どもの手を引いて、たんぽぽが咲いてたら、「ほらごらん、たんぽぽが咲いてるよ。」って言える人間になりますよね。そうやって人生を何十年も過ごすのと、何にも関心を持たずに過ごすのとでは、人間としての豊かさが違いますよね。物事を自分で咀嚼して、自分で考える力というのを学んでいってもらいたいですね。

Fさん お茶をやってよかったなと思います。これからもよろしくお願いします。

二人

Yさん

Fさん

Fさん

* 上田宗箇流茶道部
 活動場所 本学1号館礼法室
 活動日時 毎週木曜日16:00~18:00
 そのほか TOPスライドの掛け軸の『日々是好日』はFさん直筆

チューター

チューターからのコメント

日々の授業だけでなく、部活動にも積極的に、楽しみながら幅広く力をつけようとしていることを嬉しく思います。特に、知識や経験を生き方と関係づけて理解し、生活に生かそうとしているのが素晴らしい!今後の活躍を期待しています。