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  • 2024.10.28
  • 学科紹介
  • 砂川先生の個展、開催中!

    洋画コース担当の、砂川先生が個展を開催しています。

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    『 砂川 啓介展 -拡散された標語 煽動された大衆- 』
    場所:旧日本銀行広島支店1階(広島市中区袋町5−21)
    日程:2024年10月26日(土)〜11月4日(月)
    時間:10時〜17時(土日祝は19時まで)


    砂川先生は被爆三世でもあることから戦争をテーマに表現を続けておられますが、今回は新作の大掛かりなインスタレーション(空間を使った美術表現)です。
     ウクライナやパレスチナ等では今も戦争が続いていますが、そのような状況下に、被爆建物である旧日銀にて戦争をテーマに当時の関連資料をもとに作品に落とし込んだ展示は平和について考えさせる、とても意義あることではないでしょうか。
     ご興味のある方は、どうぞおいでください。

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    〈以下、展示概要になります。〉
    昨年から19年ほど暮らしていた関東を離れて、地元である広島に戻って活動を開始した。そんな新生活に向けて荷物の整理を行なっていた時に、押入れに閉まっておいた段ボールの中から古い絵葉書が何枚か出てきた。
    その絵葉書とは、海軍省が発行した戦闘機が写された絵葉書であるが、普通に撮影されたものではなく対象(イラスト?)と背景が合成され、今で言うところのスポンサーのような名称が機体に意図的にマーキングされたものであることが読み取れる。それは、1931年の満州事変以降、全国で展開された軍用機献納運動によって海軍に納入された航空機を「報國號」と呼んでおり、その献納機の命名式における記念品として発行された絵葉書であることが分かった。運動は1940年代頃まで続き、一般市民や非軍需企業などからの献金により調達された航空機は、陸軍では「愛国號」、海軍では「報国號」という愛称が付けられていた。愛国號と報国號は太平洋戦争で敗戦に至るまでに併せて13000戦機を超える数が製造されたと言われている。それだけの熱心な献納者がいたことにまずは驚くのだが、他の絵葉書を調べていくと献納者の名前の箇所だけ修正された同じ構図の機体を複数使い廻しているものが多く、本当に製造していたのかと不審に思うのであった。
    戦時下では国家総力戦と言うが、如何にして民衆に対して国民一丸となり愛国心や国家への帰属意識を向けることが可能であったのだろうか。その一部には、軍事啓蒙書の存在が大きく、軍備拡張の観点から、関東大震災を引き合いに出し防空演習を通じて空襲の恐怖を国民に語り、空襲を阻止できるのは海軍とその飛行機以外にないとメディアを巧妙に駆使して働きかけていたのである。これにより世の飛行熱、大空へのロマン、そして知識が高まったことから献納運動が活発化されていったとされている。
    併せて、同時期に国民精神総動員運動が展開され、国策標語なるスローガンを国が打ち出し、国民に向けて戦意高揚・生活統制・精神動員のための方針が定められ、国民一人ひとりが戦争へと誘導されていったのである。


    この時代から90年近く経った現在では情報は簡単に手に入るようになり、他者との共有、議論の余地が可能となった。
    しかし、紛争は絶えず続いている。そして、その情報も事実とは異なった特定の目的のために都合の良いように操作されたものを目にすることが増え、フェイクニュースが大統領選挙で影響を与える時代でもある。果たして、その不確かな情報から意志を持って取捨選択し、読み解く力が試される時代において自由を導きだすということはどういうことなのだろうか。
    本展では、絵葉書を出発点に戦時下の国家と民衆の関係についてのリサーチを行い、原寸大で再現した戦闘機の一部と、その関連資料をもとに制作したインスタレーションを発表する。

    関連資料・リンク

    学科紹介動画(美術科学生制作) https://www.youtube.com/watch?v=PGHVhZ59Djo
    美術科の学生生活(美術科学生制作) https://www.youtube.com/watch?v=AZPByZJpB2g
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