30年近く前に、「スーパーリアリズム」と呼ばれた写真そっくりの絵画が流行した。 |
当時は実習服も制服だった!整然と、でも刑務所みたいだな・・・
同じモチーフを3クラスで描くので最後の合評では3つの作品が並ぶことになった。
階調が幅広く現れる金属やガラスなどのモチーフが描きやすかったようだ。
左から画像、鉛筆画とその部分
石膏デッサンの未経験者の方が、写真の転写に淡々と専念していた。一方、研究所などでデッサンを学んできた学生は、写真に写された形態を理解しようと苦闘していた。 石膏デッサンでは把握した形態が視覚的に認識しやすいように、頭の中で形態を単純化して光源を想定し、「面」を意識しながら明暗によって表現する。 現在のコンピュータグラフィックスはこの考え方で成立している。(だからCGを目指す人は、しっかり石膏デッサンを学ぶとよい。) しかし、ものを見なくても概念だけで描ける能力ばかり身につけるので、見ることが新たな発見、驚きにつながらない。こうして先入観の塊になってしまった状態を、アカデミックとして近代芸術は否定することになる。 この実習を「基礎」として取り上げた理由は、 理論的には、この実習によってアカデミックと印象派の絵画観の相違から現象学へと、認識の展開を体験することが出来る。 あまりにも煩雑な準備と、多くの補助スタッフを必要とすることから、この実習を継続することは出来なかった。将来、小人数のゼミとして復活させたい。 |