本学科の三原健吾先生の論文が，公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンターが発行しているストレス科学研究に掲載されました。
タイトルは「COVID-19時代におけるストレスとウェルビーイングの精神神経免疫学的研究―心身の健康における神経－免疫相互作用の役割―」です。

簡単に内容を紹介します。
心理，神経系（脳や自律神経），免疫系は相互に影響を与えながら心身の健康を維持するように機能します。このような精神神経免疫学の観点から，ストレスや孤独感がどのように免疫系に影響を与え，反対に，免疫系が脳にどのような影響を与え，認知，感情，行動の変化を促し，うつ病などの疾病に関与するのかについて解説しています。
さらに，ネガティブな心理的要因だけでなく，ポジティブ感情や生きがいといったウェルビーイング（well-being）がどのように免疫系に影響を与え心身の健康や寿命の延伸を導くのか，向社会的行動（親切な行動やボランティア活動）などの社会的要因を含めて解説しています。論文全体を通して，心身の健康と密接に関連する免疫機能として，炎症（何かの有害な刺激を受けたときに，これを取り除こうとして防御する生体反応）に焦点を当てながら，昨今のCOVID-19パンデミックによってもたらされた心理社会的影響を含めて，総説論文としてまとめています。

本論文は，特集「コロナ禍がもたらした多様な変化」の１つとして掲載されており，ページ下部のリンクから無料で読むことができます。興味のある方は是非ご覧になってください。