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現代文化学部|社会臨床心理学科

学科ニュース

本学の大学院生が学会発表を行いました

2024年01月24日 カテゴリー:学科紹介

ブログを読んでくださっている皆様こんにちは。比治山大学現代文化学部社会臨床心理学科の堀内聡です。2024年が始まりましたね。今日は大学院生の活躍をお伝えしたいと思います。

大学院修士課程2年生の西岡千里さんが指導教員の吉田弘司先生とともに2023年11月18日(土)~19日(日)に愛媛県松山市にて開催された中国四国心理学会第79回大会にてポスター発表を行いました。

発表タイトルは「高敏感者(HSP)と自閉スペクトラムの感覚特性―感覚プロファイルを用いた分析―」というものでした。何やら難しい語句がたくさん出てきますね。堀内は専門家ではないのですが、かみ砕いてご紹介してみたいと思います。

HSPは英語のHighly Sensitive Personの略語です。日本語では「とても繊細な人」などと訳されています。刺激に対して過敏さを有している人のことであり、例えば、同時に複数のことを頼まれるとイライラしやすい、大きな音を聞くと不快になりやすいなどの特徴があります。自閉症スペクトラムは、他者との関わりが不得意、こだわりがあるといった特性のことです。

感覚プロファイルは、人の感覚処理のパターンを理解するためのものです。人の感覚処理は個人差があり、刺激(例えば音)に敏感な人もいれば、逆に鈍感な人もいます。感覚プロファイルでは、刺激に気づきにくい傾向(低登録)、特定の感覚を求める傾向(感覚探求)、刺激に敏感なことで苦痛を感じる傾向(感覚過敏)、そして刺激に敏感なために嫌な刺激を避ける傾向(感覚回避)の4つの観点から人の感覚処理の特徴を把握できます。

学部・大学院生100名を対象に質問紙調査を行い、89名のデータを分析しました。その結果、HSP傾向がある人、自閉スペクトラム傾向がある人、両方の傾向がある人の感覚プロファイルが以下のように明らかになりました。HSPも自閉スペクトラムも同じ「感覚」に特徴がありますが、実際には違う部分も多くあることが示唆されました。
・HSP傾向がある人は、得意な感覚特性が認められなかった。
・自閉スペクトラム傾向がある人は、低登録傾向が高かった。つまり、刺激に気づきにくい傾向がある。
・両方の傾向がある人は、低登録、感覚探求、感覚過敏、感覚回避傾向が高かった。特殊な感覚特性をもつ傾向がある。

ポスター発表は19日に行われ、責任在籍時間は60分間でした。あいにく前日悪天候により、到着が遅れたようですが、無事に発表されてきました。大変お疲れ様でした。

大学院臨床心理学専攻の大学院の研究テーマがとても多彩で、面白い研究発表が本当にたくさんあります。今後も、大学院臨床心理学専攻の院生たちが面白い研究をしてくれることを期待しています!写真は発表している西岡さん(右)と同期の藤井さん(左)です。

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