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学科ニュース
【研究】大規模学会で学会賞を受賞しました!

臨床心理学専攻(大学院)の2023年度修了生で,現在心理相談センターの相談員をされている宇津聖子さんが,第 29 回日本緩和医療学会学術大会・第 37 回日本サイコオンコロジー学会総会の合同学術大会において,みごと一般演題の優秀演題賞に選ばれました。
上の写真は連名発表者であり宇津さんの指導教員であった吉良悠吾先生とのツーショットです。
授賞式の大会長のお言葉では,今回の発表応募総数は800〜900件程度で,その中で数少ない優秀演題として評価していただいたそうです。

演題タイトルは「緩和ケア病棟に入院する進行がん患者の心理的柔軟性と心理的苦痛およびQOLの変化に関する縦断的研究」です。
進行がん患者はがんの症状や治療のつらさ,行動上の制限から生活の質(QOL)を著しく損ないやすい状態にあります。そのため,進行がん患者のQOLを損なわない,もしくは高めるための心理的ケアがとても大切です。
そこで,宇津さんの研究では,進行がん患者のQOLに影響を与えると考えられる心理的柔軟性,すなわち身体的症状や心理的苦痛を受け入れながらありのままの自分を大切にし,自分の価値観に沿った生活を行うための心の特性に着目し,その心理的柔軟性が入院時からどのように変化しながらQOLと関連するのかを3週間に渡って縦断的に調査しました。
その結果,緩和ケア病棟に入院している進行がん患者は,入院した自分を悲観的に捉えながらも,自分が置かれている状況を次第に受け入れていく一方で,あきらめから価値に沿った行動に取り組みにくくなることがわかりました。
これらの知見は,進行がん患者のQOL向上や心の苦しみを和らげるためのケアにおいて,心理的柔軟性の変化に注目することの重要性を強調しています。
上記の内容からも分かるように臨床現場に通じる価値ある研究です。
なお,宇津さんは現在心理相談センターの相談員を務めながら,心理学検定や公認心理師試験などの勉強をサポートする学習推進室(10号館4階)で事務員も務められています。みなさんもぜひ会いに行かれてください。
