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現代文化学部|社会臨床心理学科

学科ニュース

高校生対象の公開講座を行いました

2025年08月12日 カテゴリー:学科紹介

皆さんこんにちは。社会臨床心理学科 教員の金子です。
7月26日土曜日に「高大連携公開講座」を実施し,約30名の高校生に参加していただきました。ご参加いただいた皆様,誠にありがとうございました。今日はその内容についてご報告します。

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今回は,本学科の吉田弘司先生と金子がそれぞれ2時間ずつ授業を担当しました。前半は吉田先生による「心理学ってどんな学問?」という授業でした。
心理学というと,一般的には「カウンセリングの学問」のようなイメージを持たれることが多くあります(これを読んでいる方は,既に心理学についていろいろご存知かもしれませんが…)。ですが実際には,人の行動全般を対象とする非常に幅広い学問です。授業では,心理学がどのようなテーマを扱い,社会の中でどのように活用されているのかについて,具体的な例を交えてお話しいただきました。
後半は「見ること」に焦点を当てた授業でした。ここでは授業中に行われたデモンストレーションを一つだけ紹介します。人の目には「盲点」と呼ばれる見えない部分があります。下の画像にあるような凝視点とターゲットを紙に書いて,片目で凝視点を見ながら距離を変えると,ターゲットが消えるところがあります。これは盲点上にターゲットの像が結ばれたために見えなくなっている状態です。では,ターゲットの背景に色がついていたらどうなるのでしょうか?同じように距離を変えると,ターゲットが背景の色で塗りつぶされたと思います。これは人の心が,目から入った情報を補完しているからです。このように,意外かもしれませんが「見る」ことにも心が深く関わっています。

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さて,後半2時間は金子が「記憶」についてお話しました。「テスト前なのに覚えられない」など,記憶にまつわる悩みは多くの人が持っていると思いますが,ここにも人の心が関わっています。例えば,人が一度見たり聞いたりしただけで覚えられる情報量には限りがあり,初めて出会った情報をそれだけで覚えるのは苦手です。機械的に丸暗記しようとするよりは,既に知っている情報と結び付けた方が覚えやすく,また忘れにくくなります。一方で,人の記憶は意外と曖昧です。例えば100円玉のデザインを,何も見ずに正確に思い出せるでしょうか?きっと細かな部分は思い出すのが難しいと思います。実は普段よく目にしているものでも,その細部までは覚えていません。それでも100円玉を見分けることができるのは,必要最小限の情報だけを記憶し,効率的に生活しているからです。

このように,「見ること」や「記憶」をはじめ人の行動には心が深くかかわっていて,そのはたらきと日々の生活を切り離すことはできません。普段はあまり意識することがないかもしれませんが,心理学ではこうした心のはたらきについて学ぶことができます。

比治山大学では,今回のような公開講座のほか,オープンキャンパスでも各教員が専門を生かした体験授業を行っています。
興味のある方は是非ご参加ください。皆さまのご参加をお待ちしております。

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