小学校で子どもたちと日々向き合い、輝く卒業生のもとへ、在学生が話を聞きに行きました。
[写真左]卒業生:新井 章太郎さん '17年卒 [写真右]在学生:山領 早葉さん 4年 ※取材当時の学年です
新井 章太郎さん '17年卒
広島新庄高等学校出身
尾道市立土堂小学校に勤務。クラス担任のほか、運動会の全体指揮など全体行事の運営も行う。
山領 早葉さん 4年
広島県 比治山女子高等学校出身
小学校教諭を目指し入学。学内行事の運営などを行う自治会総務としても活動する。
※取材当時の学年です
山領私は将来、小学校教諭になりたいと考えています。少人数で教員に見てもらいながら学べる環境が良かったので、この学科に進学しました。
新井僕も山領さんと同じく、小学校教諭を目指して比治山大学に入学しました。
山領3年生は教育実習がありますが、どんなことに気をつけていけば良いでしょうか?
新井教育実習は今思えばあっという間だったけど、当時は本当に長い1か月でしたね。子どもたちの前で授業する力を身につけるのが大きなポイントだけど、実際に始まってみると目まぐるしくてバタバタだと思います。とにかく、気力体力を十分蓄えておくことが大事です。僕は実は、実習最終日に体調を崩してしまったんですよ。だから実習を終えた後はしばらく自信をなくしていたんですよね。「本当に先生になれるのかな?」「向いているのかな?」と思いつつも、実習で先生たちが働く姿を見て「やっぱりやりたい!」と覚悟が決まったんです。実習の前までは漠然と先生のイメージを持っていたけど、実習を終えてからは「こういう先生になりたい」と目指す形が見えてきました。
山領覚悟のお話は、私自身も今すごく感じています。入学してからずっと勉強を頑張ってきたのですが、2年生後期ごろから授業数も多くなって勉強と習い事とアルバイトとの両立が大変になってきました。どうして教師を目指すのかと考え直した時に、もともとは両親が教員だったという影響を受けて目指しているのもあるので、「このままで本当に教員になれるのかな?」と、それこそ覚悟が決まっていないように感じているんです。
新井僕も学生時代は、先生を目指す理由を熱く語れる友達に囲まれていたので、漠然と先生を目指している自分に引け目のようなものはうっすらと感じていました。でも実習で気持ちが定まったし、人それぞれそういうタイミングがきっとあるから大丈夫。周りと比較する必要もないですよ。
山領新井さんもそうした時期があったんですね。先輩の経験談に励まされます! 採用試験についてもお聞きしてみたいのですが、新井さんはいつ頃から勉強を始められましたか?
新井3年生の夏ごろから基礎学力の勉強を始めて、実習中はストップして、明けてから今度は学習指導要領の勉強を進めました。例えば模試で10番以内に入ろうっていうような目標を立てて、暗記ものはひたすらノートに書いて覚えるというやり方でしたね。でもそれだけだと気分が乗らない時があるので、法律とかは声に出して話しながら覚えるようにもしていました。結局、自分がちゃんと理解して覚えているものは話せるし、理解できていないものは話せないんですよ。最終的に面接の場では絶対に話さないといけないし、時間に限りがある中で筆記と面接を分けて考えるともったいないと思って、話す練習をしながら覚える作業をしていました。
山領なるほど...! 私も試してみようと思います。面接ではどんなことを聞かれましたか?
新井教員を目指した理由はやっぱり聞かれます。それはみんなある程度似通うところだと思うので、僕は地域安全マップを作成したボランティアのことをしっかり伝えるようにしました。「地域安全マップ」はキーワードとしても珍しいので面接官の方も気に留めてくださり、会話が弾みましたね。筆記にしても面接にしても受かることがゴールではなくて、受かった後に先生としてどう経験を積んでいくかが重要だと考えていたので、自分自身が後悔しないようにやり切って受かろうと思いながら勉強していました。
山領確かに、自分の考え方次第でモチベーションも大きく変わるような気がします。私は先程も少しお話ししたように、勉強と習い事とアルバイトのバランスがなかなかうまく取れないのが悩みです。習い事はバトントワリングを選手として本格的にやっているので、練習に集中すると勉強やアルバイトの時間が割けなくて...。すべてを両立させていくのは、教員採用試験の勉強をするうえでは難しいでしょうか。
新井僕は野球部に入っていたけど、3年生の秋から採用試験が終わるまでは練習もなかったし、でもリーグ戦には行って適度にリフレッシュができたなと思います。アルバイトは勉強期間は辞めて、採用試験が終わった後にまた始めましたね。何かを諦めるということではなくて、少し休憩するっていう考え方はどうかな? 僕自身も平日に勉強を頑張る分土日は勉強していなかったから、メリハリも大事なんだと思います。
山領ありがとうございます...! 自分なりにベストなバランスを探してみようと思います。新井さんは、仕事のやりがいをどんな部分に感じられていますか?
新井先生としてのやりがいは、クラスでどれだけ楽しく授業ができるかということと、子どもが問題を解いたり分かったりした時に喜びや達成感を感じているのが伝わってきた時ですね。ただ、それ以上に自分のモチベーションになっているのは、子どもが笑って学校に来て、笑って帰っていくことです。社会人1年目の時は、1人の子どもに意識が向くと他の子どもにまで思うように目が向けられなくなったりしてしまうこともありました。子どもとの信頼関係を築くのは決して簡単ではないですけど、しっかり話を聞いて向き合って、少しずつ関係性を深めていくことが大切なのかなと思います。
山領先程、新井さんが実際に授業をしている様子を見て、子どもたちは問題を解く時間は真面目に取り組んでいるし、みんなが発言しやすい空気もあるし、温かい雰囲気のクラスだなと感じました。私もまずは実習と勉強を頑張っていこうと思います。今日はありがとうございました!
比治山の卒業生は多彩な職場で活躍中
教育実習で先生方の働く姿を間近で見て、目指す教員像を具体的に持てるようになりました。子どもが笑顔で学校に来て、笑顔で帰ることができるよう、授業の内容とともにクラスの温かい雰囲気づくりも大切にする。
大学の授業や実習で学んだ多くのことが今でも役に立っています。子どもたちの基本的生活習慣のサポートや、様々な遊びの援助などを行う。子どもの成長を保護者と一緒に喜び合えることが、大きなやりがい。