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短期大学部|美術科

学科ニュース

不動院プロジェクションマッピング 学生紹介 vol.1

2025年10月17日 カテゴリー:イベント

不動院プロジェクションマッピングに出品する学生を紹介します。「映像」を制作した比治山大学短期大学部の学生16人と、「音楽」を担当したエリザベト音楽大学の学生1人の“横顔”と上映に向けた思いを、マスコミュニケーション学科・メディアゼミの学生が取材して記事にまとめました。



 考えないと感じられない。     美術科2年 三宅 塁さん(写真左)
他の学生とは一味違う作風を選択し、不動院の名誉と個性を生かした作品が、国宝「不動院金堂」に投影される。
美術科2年の三宅塁さん。作品は、他大学の学生と共通の趣味である「界隈曲」と、小学校3年生の時に夢中になっていた「うごくメモ帳」をオマージュした、ピクセルアート(ドット絵)をコンセプトとした。
作品を成功に導くために鍵となったのは、共同制作にあたり意見をこまめに交換すること、話し合いを通して互いの“落としどころ”を見つけることだと話す。
プロジェクトを一言でいえば「謎」。「自己主張ではなく、不動院を楽しんでもらう作品」をポリシーとし、“想像力”と“不思議”が音楽・歌詞・イラストに命を吹き込む。
芸術とは「生きた証」。超越したアイデアが国宝不動院の魅力を際立たせる。これからの人生、表現の具現化を追い求める旅は奥が深いと語る。


 創作で開く平和の扉     美術科2年 村上知廉さん(写真右)
島根県で育った村上知廉さん。アニメーション制作に興味があり、美術科を希望した。
今回の作品の意気込みは、平和への思いに触れ、命の尊さを伝承していく使命を持ち、被爆建物である「不動院」を静寂かつ悠々と表現したいと語る。
一方、挑戦をする中で、多少の無理を承知で作業を進めることもある。作品の鍵となる折り鶴が舞い落ちるシーンでは、プロジェクションマッピングと光のバランスで苦戦を強いられた。
平和をどう受け入れてもらい、制作した自身の意図を感じてもらうにはどう修正し、アレンジをすればいいのか・・・指導教員と「感受性」について深く掘り下げて話し合ったという。
作品は試行錯誤の繰り返し。好きなことなら何度でもやり直せることが本人の強みである。当日まで入念に準備を重ね、周囲の意見に耳を傾けながら理想の作品を追い求める。

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 今までの集大成をいざ、発揮!     美術科2年 緒方将孝さん(写真左)
「今回のプロジェクトは1年半の集大成ですね」…そう意気込むのは、美術科2年生、緒方将孝さん。不動院プロジェクションマッピングは「アニメーションと音楽の融合を楽しむことができる」という。
準備が着々と進む中、このプロジェクトを遂行させていくうえで苦戦したと語るのは“骨組み”だ。「不動院の元となる骨組みを一つ一つ組み合わせることが難しかったです」。複雑な構造を実物のように表す技術は、到底真似できるものではない。
緒方さんが美術科へ進んだきっかけは、家族が描いていた油絵だった。緒方さんは将来、3Dを駆使したものづくりをしたいと話す。今回は国宝を活用した大きなプロジェクト。「よりスケールの大きなものに」と、前向きな姿勢で準備を進める。


 好きをカタチに活かす!     美術科2年 河野文音さん(写真右)
即興で絵を描く、その腕前が異彩を放つ。「大掛かりなプロジェクトは初めてなので新鮮な気持ち」。そう語るのは美術科2年生、河野文音さん。河野さんが担当するアニメーションは、一輪の花が咲き、その花を光の粒子が際立たせていく動きが印象的だ。
今回、試行錯誤を重ねながら描いてきたアニメーションのイチオシは、水がはねた後、花が咲くシーンだと語る。小学校4年生で絵を描き始め、中学高校と美術部に所属していた河野さん。「好きな絵をいつも健康で描き続けたい。シンプルに描くことで“好き”が顕著に表れる」。河野さんの描画に対する思いから、自分の“好き”を忘れず楽しむことが、何より大切だと気付かされる。
今回のプロジェクトでは、これまでの経験と学びを糧に、“好き”をカタチにしながら、植物から広がる世界をプロジェクションマッピングとして届ける。

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 経験と知恵を、光で表現!     美術科2年 坂本香梨さん(写真左)
想像を膨らませ、オリジナルの絵にペンが進む。「幼いころから絵を描くことが好き」、「一から作品を作り上げていくことが好き」と描画について熱く語る美術科2年の坂本香梨さん。不動院プロジェクションマッピングに際して、「手書きで3Dを書き出していくところが難しい」と苦戦しながらも、これまで学んできたことを駆使しながら、調整をしていく。
CGソフト「ブレンダー」で、傘を使ったアニメーションが独創的に表現されている。「3DCG」の授業がきっかけでアニメーションと出会い、悪戦苦闘しながらも楽しむことは忘れない。今回のプロジェクトでは”和”の要素を取り込み、世代を問わず、綺麗だなと思わせることに意識を向けたそう。
その中でも、花が咲いて色が変わるシーンと、扇子での場面転換が注目ポイントだ。描画をはじめ、アニメーションで表現できるようになった今、これまで培った腕前を存分に発揮していく。


 カラフルな世界へ出発進行!     美術科2年 福島心花(写真右)
彼女は生粋の鉄道ファンだ。作業机には門司港の「駅名標」がある。時間を調べては電車で出かけるという。取材者の私は偶然にも趣味が同じだったため意気投合し、会話が止まらなかった。「大学では自分がしたいと思った道に進みたかった」と話し、絵が好きでよく描いていたことから美術科に進んだという。
福島心花さんの作品は行動力と好奇心が強く表れ、“彼女そのもの”でもある。今回取り組んでいる作品のテーマは「カラフル・元気」。まさに自分自身を表現している。カラフルさを表現するために色の調整に苦戦し、元気さの表現でも躍動感のある動きにこだわっている。
彼女が大切にしているのは「0.1秒」という秒数だ。30秒ほどの今回の作品は、手描きした300枚の絵で構成される。一枚は、たった「0.1秒」。しかし、その1枚が変わると作品全体の印象が変わるという。0.1秒の世界にこだわった彼女の作品は、カラフルで楽しい電車に乗って出発する。

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 描く絵すべてに、愛が溢れる     美術科2年 福島澪(写真左)
「自分の名前が大好きなんです」と満面の笑みで話す福島澪さん。澪(みお)という名前は母親がつけてくれたという。そんな彼女にはたくさんの好きがある。
一番は絵だ。小学生の頃、同級生に「下手だな」と言われ、上手くなりたいと絵を描き続けた。さらに、絵がもっと好きになった出来事がある。「音街ウナ」という好きなキャラクターの絵を描いて発信していたある日、X(旧ツイッター)の公式アカウントに引用リポストされた。「本当にうれしくって」と目を輝かせる。「好きなものを好きなこと」で認められた瞬間だった。
今回の作品『猫とねずみ』にも、好きが詰まっている。猫が好きだが、動物アレルギーのため触れ合えない。その代わりに、好きな猫の絵をたくさん描くことにした。こだわったのは猫の動きで、動画を何度も見て猫らしい動きを研究したという。
彼女の絵には好きなものへの探求と愛情が表れている。彼女の愛に溢れる作品をぜひ見ていただきたい。


 学んだ知識をCGで届けます!     美術科2年 横山和実さん(写真右)
比治山大学×エリザベト音楽大学の共同で開催される『不動院プロジェクションマッピング』。今回、初めて広島の国宝「不動院」で実施されるプロジェクションマッピングに参加するのが横山和美さんだ。
比治山大学短期大学部の美術科を専攻したきっかけは、小さい頃から絵を描くことが好きで、MV(ミュージックビデオ)に出てくるイラストやCGに興味を持ち、CGなどを専門的に学びたかったからだそうだ。
今回のプロジェクトではCGを使って、先生をモデルにした妖精が不動院に氷の魔法をかけるという映像を担当する。プロジェクトもいよいよ大詰め。意気込みを聞いたところ「小さい子どもたちに向けたプロジェクトということもあるので、子どもたちがアニメーションやCGに興味をもってもらえると嬉しい」と語ってくれた。思いを自身の子どものころに重ねる。

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 独学アートで自分の世界観を     美術科2年 寄本すみれさん(写真左)
比治山大学とエリザベト音楽大学の学生が映像と音楽で共同して繰り広げる『不動院プロジェクションマッピング』。参加する寄本すみれさんは、幼稚園の頃から絵を描くことに夢中な子どもだった。独学で絵を学び続け、依頼を受けて、自身の世界観(クールやホラー系)の絵を描いている。将来、絵を仕事にしたいという夢とスキルアップを目指すことが美術科を専攻したきっかけだった。
今回の不動院プロジェクトは、大勢の人に自身の世界観を見てもらう機会でもある。しかし、意気込みを聞くと「ミスなく、このプロジェクトが無事に終了してくれることを願っています」とあまりにも謙虚な返事が返ってきた。その謙虚さと、独自の世界観のマッチングも、また彼女の魅力に違いない。


 知ることでもっと楽しい国宝     美術科 松岡咲綾さん(写真右)
美術科2年の松岡咲綾さんは、不動院での視察で見た上半身が人間、下半身が鳥の架空の生物「迦陵頻伽」を軸に作品制作に取り組んだ。今回の不動院プロジェクトでは3DCGで制作に取り組んでいる学生が多い中、松岡さんは得意とする手描きでの制作を選んだ。
描いた枚数は計600枚。視察の際、松岡さんは数多く不動院に集まっていたスズメに目が留まり、日常的な視点で物語の構成を練り始めた。楽曲はアニメーションが引き立つようSE(効果音)を多めに取り入れ、34秒の架空と現実の不動院が交差する作品となった。
制作過程では、不動院の奥行きを生かしながらSEのタイミングも考慮するため微調整を重ねた。当日は「私たちの身近にある国宝、不動院を知ってもらえる機会になって欲しい」と語る松岡さん。フィクションとノンフィクションが交わる『不動院の日常』を届ける。

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