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短期大学部|美術科

学科ニュース

不動院プロジェクションマッピング 学生紹介 vol.2

2025年10月17日 カテゴリー:イベント

vol.1に続き、不動院プロジェクションマッピングに出品する学生を紹介します。「映像」を制作した比治山大学短期大学部の学生と、「音楽」を担当したエリザベト音楽大学の学生の“横顔”と上映に向けた思いを、マスコミュニケーション学科・メディアゼミの学生が取材して記事にまとめました。



 かわいいが映し出す法則     美術科2年 松下蒼空さん(写真左)
美術科2年松下蒼空さんは「かわいい」をキーワードに作品制作に取り組んだ。松下さんが大切にしている「手作り感」が生きるようにも描いた。
「かわいい」を意識したのは、プロジェクションマッピングの当日、会場の子どもたちが楽しめる作品にしたかったからだ。昼から夜になる過程を背景に、熊と兎が登場するアニメーションになった。描いた枚数は計300枚。そんな松下さんの耳には熊のアクセサリーがついていた。
建物の形を生かすため、制作過程では寺院のカーブの部分に工夫が施されている。「かわいい」がより引き立つよう、動物と背景にはコントラストの効いた色を選び、配色には松下さんの考える“かわいいの法則”が加えられた。
当日は「深く考えず、プロジェクションマッピングの時間を楽しんで欲しい」と語る松下さんの脳裏には、子どもたちのかわいい笑顔が浮かんでいる。


 終わりには笑いで彩を     美術科2年 山本兼丘さん(写真右)
この秋、広島市の不動院で行われるプロジェクションマッピングに向けて、美術科の2年生たちが各々作品づくりに打ち込んでいる。その一人、山本兼丘さん。幼い時から絵画教室に通い、そこから美術の世界に惹かれていった。
一度始めたなら、あきらめずにやり遂げるのがモットー。小・中・高とずっとその精神で走り続けてきたという努力家である。美術は幼い時から身近な存在であり、「描くことは自分のアイデンティティ」と語る。
そんな山本さんは、この不動院プロジェクトのフィナーレを飾る人物に抜擢された。「最後の山場だからこそ、人に笑ってもらえるような作品にしたい」。今回のイベントのフィナーレに、どのような作品で魅せてくれるのか・・・当日への期待が増していく中、彼は今も作品を磨き続けている。

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 ありそうでなさそうな世界観     美術科2年 山本璃乃さん(写真左)
「ありそうでなさそうな世界観を伝えたい」。そう語ったのは美術科2年の山本璃乃さんだ。彼女はこの秋、不動院で行われるプロジェクションマッピングに向けて作品を手掛ける。
絵を描くようになったのは、自分の想像したイメージを表現したかったからだという。漫画やアニメ、MV(ミュージックビデオ)などから影響を受けてきた。イメージを自分なりに解釈して「世界観」を創り、作品というカタチで顕現させる様子は、どこかの寓話に登場しそうな創造神を思わせる。
今回のプロジェクトでは、作品に「ゲーム機」を用いる異色のコンセプトを提示した。レトロゲーのキャラモーション、ゲーム機本体、ゲームデザインなど、ゲームへのリアリティを追求しつつ、背景となるステージや地面はとことんリアルに寄せていくことも忘れない。異色のコンセプトを余すことなく作品に落とし込んでいく、繊細にして大胆な創造神の力作は、間もなく完成する。


 学生自らが不動院を輝かせる     美術科2年 森明 蓮さん(写真右)
美術科2年生、森明蓮さんの趣味はアニメやドラマを鑑賞すること。高校時代はバスケットボールをするなど、スポーツを楽しむ日々を送っていた。
そんな彼が美術科に入学するきっかけとなったのが、「デジタル系が苦手」ということだった。苦手なのに、なぜ大学でCGといったデジタル系を駆使した美術作品に取り組もうとするのか。どこか矛盾していると思われがちだが、弱点を克服したいという彼なりの向上心が決め手となった。
不動院プロジェクションマッピングでは、その向上心で手掛けた作品を披露する。制作期間は3か月程。いろいろなアイデアを徐々に一つの作品にしていった。「より多くの人に足を運んでもらい、心に残る時間にしてもらいたい」と意気込む。向上心から始まった大学生活の集大成を飾る。

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 その先に見える景色とは…     美術科2年 室井梓沙さん(写真左)
美術科2年生、室井梓沙さん。高校時代はイラスト文芸部に所属し、挿絵や小説、詩などをまとめた冊子をつくる活動をしていた。美術科を選んだ理由は、「美術は一つの分野に限らず様々な分野の知識が得られ、人として成長できる」と考えたからだ。
不動院プロジェクションマッピングでは、サーカスをモチーフにして制作に取り組む。制作過程で大変だったことが二つあるという。一つは、色の映し方。不動院は木造のため、全体に茶色の造りである。白い物に映すのが「映写」の基本であるが、茶色に映すのはかなりの難易度だった。パソコンで見た色と、実際に投影された色は別物だった。
二つ目は、メンタルだ。一通り完成した上で行われるテスト投影。そこで修正箇所があれば直さなければならない。一度おろした腰をまたあげる時の気持ちの整理がとても大変だったと語る。
まもなく辿り着くゴール。「見ていただいた方が、良いリアクションをしてくれるのを願っている」。すべてが報われる景色を待つ。


 絵に対する好奇心と粘り強さ     美術科2年 丁野結月(写真右)
美術科で学ぶ学生と言えば、幼い頃から絵が好きで美術の道を目指してきた人を思い浮かべるだろう。しかし丁野結月さんは、大幅な進路変更を経て美術科に進んだ。
もともとは看護師志望だった。友人が美術系に興味があり、その影響を受けて美術の道に進んだという。受験ではデッサンがあり、試験の日まで独学で描き続け、見事合格に漕ぎつけた。このひたむきさから、美術に対する情熱が生まれたのかもしれない。
そんな彼女は、単純作業が苦手だと話す。しかし、今回の作品づくりでは、締め切り1週間前に変更を余儀なくされたにもかかわらず、900枚すべてを手描きで完成させている。より良い作品を完成させたいという情熱が、苦手意識を克服させた。
作品のテーマは、「唐揚げ」。彼女の好きな食べ物だ。ニワトリが魔法のステッキを目で追いかける場面がお気に入りで、「そこを注目してみてほしい」と笑顔で語る。友だちがきっかけで芽生えた美術への好奇心と、情熱の力で手に入れた粘り強さが“結晶”となる日を見届けていただきたい。

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◆音楽を担当したエリザベト音楽大学の山口さんにも取材をしました。

 30秒で表現する物語     音楽文化専修創作プログラム 山口佑介(写真左)
不動院プロジェクションマッピングで美術科2名の楽曲を担当したのが、エリザベト音楽大学3年の山口佑介さん。自身が得意とするエレクトロ、テクノなどの電子音楽を意識した作風で2曲を制作した。
1曲目は10年前のボーカロイド曲をイメージした界隈曲。歌詞も山口さん自ら書いたオリジナルだ。制作期間は3ヶ月程度。2曲目は四つ打ちが特徴的なEDM(エレクトロダンスミュージック)風に仕上げた楽曲。作曲はハードウェアを使わずパソコンのみで作業が完結するDTM(デスクトップミュージック)で制作した。
楽曲制作は学科編入を機に始めるようになった。きっかけは、好きなアーティストの影響が大きかったという。
今回のプロジェクトについて山口さんは、「普段5〜7分程の曲を作っているが、今回は30秒前後。曲の緩急を作るのに苦労した」と話す。「不動院という国宝に興味を持ってもらえるような時間になって欲しい」と、映像と音楽のコラボに期待を寄せる。
 

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【取材】マスコミュニケーション学科3年 メディアゼミ
蒲生大和 平野皓太 藤川知佐 前田翔磨 矢田部嘉太 山内琢款 山岡凛音

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